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社会福祉法人 豊島区民社会福祉協議会の副島由理さんにお話しを伺いました。

副島由理さん(豊島区民社会福祉協議会常務理事・事務局長)
1986年玉川大学教育学科卒業、豊島区入区。児童館職員などの勤務を経て、2022年に豊島区子ども家庭部長、2024年に現任。現在は豊島区保健福祉審議会の委員も兼任しており、地域福祉を推進する要職を担っている。

副島由理さん

聞き手:イノベーションホールディングス(以下IHD)

―――行政とつながること

IHD:副島さんが子ども支援に関わるまでの経緯を教えていただけますか。

副島:私は小学校の先生になりたかったんです。私は生まれも育ちも豊島区で、小学校教員になりたかったのですが採用試験に落ちてしまいました。

しかしその後、豊島区で職員として採用されて、児童館で15年くらい勤務しました。児童館での勤務は子どもたちと多くのチャレンジができてとても面白かったですね。その後は異動があり、いろいろな部署で働きました。そして子ども家庭部のとき、御社の岩崎さんと初めてお会いしたのが「ライス!ナイス!プロジェクト」の事業でした。

IHD:そうでしたね。私たちは子ども食堂を始めたものの、社内からは「生活に困っていない子どもも食べられるんでしょ?」という意見があった頃でした。そこで、支援が必要な子どもたちにリーチして、外食を楽しんでもらうためにはどうしたらいいかと相談に乗ってもらったのが、豊島子どもWAKUWAKUネットワークの栗林さんでした。そこから「ライス!ナイス!プロジェクト」を紹介していただき、「みせしょくチケット」の活動にも繋がりました。

副島:困窮世帯の子どもたちに届けるということも、とても難しい課題ですよね。生活福祉課にいた時に、子どもたちに無料の学習支援をやりたいというグループがいました。その時に話したのが「貧しい」とか「豊か」だとかで子どもたちに“色付け”をして集めると、それが噂になって子どもたちを傷つけてしまうということ。だから、メインターゲットは困窮家庭の子どもの支援だけど、周りからはわからないように、みんな一緒に集めるようにした経験がありました。

IHD:そもそも私たちは食支援とか困窮者支援とか、そういうことではなくて、「子どもたちに外食を楽しんで欲しい」という想いからこのみせしょくの活動が成り立っています。企業が表立って「貧困支援」を打ち出すと、やはり子どもを色付けしてしまう。そこに気を付けながら、行政と連携していきたいと思っています。

副島:こちらも同じ想いです。昔は市民団体と行政が対立する構図もあったのですが、今は一緒にできることはないかと連携を図るようになりました。

IHD:行政と市民団体や民間の連携って、ほかの地域でも増えたように感じます。豊島区さんはとても相談しやすい雰囲気なんですよね、こちらに降りてきて目線を合わせて話を聞いてくれます。皆さん優しいです笑。

副島:そうですね、豊島区の職員は先ず「何かできるか」って考える。もちろん無理なこともあるけれど、その前にどうしようか、とみんなで考える。それが楽しいですね。

―――「地域共生社会」

IHD:子ども食堂の環境や世間的な認識も変わってきているなあと感じます。隣にいる困ってる子を助けたいという「ご近所の支えあい」だったはずだったのに、社会的なインフラのように大きく取り上げられるようになり、「社会支援の仕組みの一つ」みたいになってしまった印象を受けます。昨年インタビューさせていただいた、だんだんの近藤さんが「こども食堂から一線を引く」とおっしゃっていたのも、そういう要因もあるのだろなあと感じます。その中で、弊社はシンプルに「子どもたちに外食を楽しんでほしい」という基本に、より立ち返るようになりました。

副島:地域でやってくださってるので、結果的に行政もそこに期待してしまうところがあると思います。でも、手弁当でボランティア活動でやっている子ども食堂を当たり前だと思ってはいけない。
そこで豊島区では、来年度から当面の間社協が事務局になって、区内の団体やボランティア、行政も加わりみんなで協議会を作り、「フードバンク」を始めます。豊島区民社協としては初めての試みですが、区民の方たちが活動しやすくしたいですね。

IHD:豊島区は動きが早いですよね。私たちは所謂活動主体者として、寄付ではない方法で地域と関わりながらCSR活動を行っていますが、企業が社会活動に関わることに対してどうお考えでしょうか?

副島:もちろん寄付はありがたいです。でもそれだけではなく、企業の人に地域に入ってもらうことで、それまでとは違う視点が入ることが良いところだと思います。住民や行政だけで考えていると変化の範囲が狭くなってしまうこともあるから。
今は地域共生社会を目指していて、立場の違う人が関わって社会を作りあげていく。その考えの中では、企業はなくてはならない存在です。人口が減少していく中では、得意を活かしてみんなで支え合う社会でなくては続かないと思います。

確かに自分たちの手の届く範囲でこぢんまりとやっていると、企業が入って規模が大きくなるのを嫌がるところも、もしかしたらあるかもしれない。その点、豊島区は規模が小さくても大きくても、ごちゃ混ぜで自由です。企業さん含めいろいろな方がつながった「としまこども団」の存在は大きいと思いますね。

―――今までにない方法を考える、企業の力

IHD:自由ではあるけれど、いい距離感で繋がり助け合っている感じがする良い街ですよね。ちなみに、みせしょくの印象についてもお聞きしたいです。

副島:最初はそんな活動があるんだ!って思いましたよ。想像がつかなかった。あのアイデアってすごいですね。

IHD:おかげさまで、お取引先様でもある飲食店が多いので、参加店は自分たちでお声がけして集めることができます。みせしょくチケットの活動については、チケットをどうやって対象の子どもたちに配るかだけが課題でした。他は全て自分たちでできる。特定世帯となると、もちろん個人情報でもあるし私たちが入手するわけにはいかないので。

副島:今までにない方法を考える、企業の力ってそういうところなんですよ。行政として一つの企業とばかりやるのは不公平だという見方もあると思います。でもだったら他の企業も入ってくればいいわけで。豊島区はウェルカムですから。

IHD:豊島区で例年実施している「みせしょくチケット」は、他の企業がお菓子や生活用品を寄付するのと同じ、自分たちの得意を活かした「寄付」と同じなんですよね。

副島:温かいものが食べられる寄付ですね。家庭の経済格差が体験格差になってしまう現状で「外食経験」ができるのも素晴らしい。豊島区でも体験格差の解消に取り組んでいくところです。

IHD:実際に子ども支援の現場を見せてもらい、知れば知るほど、この活動は止めちゃダメだと思います。今は「みせしょくパーティー」という児童養護施設の子どもたちを定期的に招待する活動も行っています。今後は、ヤングケアラーの子どもたちを招待するとか、いろいろとやっていきたいですね。

副島:それもいいですね。食事をしながら同じ悩みを共有できる仲間と交流できたら、勇気づけられますよね。子どもは自分が特別に大変だなんて思っていないから、子どもが本音を話せる場を提供することがとても大事なことだと思います。

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